大学最高峰の決戦だけに、ブレイクダウンでのせめぎ合いは熾烈で、プレーの精度や強度のわずかな違いがターンオーバーと反則を分けることになる。明治大は準々決勝の早稲田大戦、準決勝の東海大戦ともに試合を通じての反則はわずか3。帝京大は準決勝前半で8つの反則を犯して苦しんだが、後半は反則ゼロと修正して逆転勝ちした。攻めても守っても、反則をせずにプレーを継続することが重要だ。
明治大は対抗戦での対戦でスクラムに苦しむ一方、後半にバックスの仕掛けから1トライを返している。キャプテンのSH飯沼蓮(4年、日川)、雲山、世界の舞台を知る石田らバックスにも決定力のある選手が多い。伊藤は國學院栃木の司令塔を務める龍之介とともに兄弟で決勝に進んだことでも話題だ。
帝京大は準決勝の前半、ボール支配率で下回り、京産大FWの力強い走りに受けに回った守りを崩された。明治大はきっちり並んだ時は身体の強さを生かして堅い守りを見せたが、攻防の構造が崩れた時にもろさも見え、東海大にトライを許している。決勝では、どちらがどれだけ組織防御を崩さず、一人一人のタックルを決め続けられるか。最後は結局ディフェンスの勝負になるだろう。