では、日本には全国に活火山が点在しているが、いったい日本のどこの活火山がどのくらい噴火する可能性があるのか。AERAdot.は、産総研の「1万年噴火イベントデータ集」で、日本全国110ある活火山の噴火実績を調査。火山の噴火規模を表す「噴火マグニチュード」(噴火M)が、1707年の富士山大噴火(噴火M5・26)より大きい事例をまとめた。
その結果、過去1万年以内で1707年の富士山大噴火の噴火Mを超えたことのある火山は16あった。富士山でも2例(5600-3500年前の間、864~866年)あった。学術的には噴火M6以上は「巨大噴火」、噴火M6未満4以上は「大規模噴火」に分類される。富士山以外では、巨大噴火した火山は3つ、大規模噴火は13もあった。
これらは過去の噴火の規模を表すデータだ。この中で、遠くない将来に噴火が起きる可能性がある活火山はあるのだろうか。
実は、直近の地盤の変化から推測して噴火の兆候がみられ、専門家の間で懸念は高まっている火山がある。桜島(鹿児島)の噴火だ。1779年に噴火M5・7の大規模噴火を起こし、1914年にも噴火M5・6の噴火(大正大噴火)を起こしている。山元氏は「大正大噴火クラスの大規模噴火する兆候が出てきている」という。
鹿児島市危機管理課によると、大正大噴火後に80センチ地盤が沈下した場所が、現在は大正大噴火に近い程度にまで地盤が隆起してきている。これは地下の「マグマだまり」という場所にマグマが溜まってきていることを示している。市の担当者はこう語る。
「必ずしも大規模噴火するわけではないが、マグマが蓄積してきていることはわかっており、2020年代には大正噴火と同じレベルまで溜まると言われている。大規模噴火に警戒を要する時期に入っています。桜島では大規模噴火を想定した避難訓練を毎年実施しており、意識は高い。鹿児島市街地でも火山灰・軽石の対応計画を昨年7月から周知しているところで、これからも対策を進めていくところです」