例えば、税金の徴収額も収入に応じて変わり、そんな厳しいことはしないのに、PTAは一律! 私はひとり親家庭といっても、実家で暮らしているのでラクなほうですが、あらゆる家庭が一律に仕事や会費の徴収を求められるのは、とても乱暴です。     

 おかしいという声を上げると、「では、免除してあげます」とか言われるんですけども、そもそも免除もおかしな話で、任意で入る団体に、なんで免除があるのか? しかも、免除「してあげます」という言い方をされなゃいけないっていうところへの腹立ちもありましたよね。

――たしかに! さらに、PTAには「ひとり親」である情報も開示されているという。

 今でこそ、私はひとり親であることはフルオープンにしていますけど、子どもが保育園の時代、初めて保護者のみなさんに対してひとり親であることを言ったときは声が震えました。だから、PTAの活動だからと言って、個人の家庭の状況を言いたくない人もたくさんいると思います。

 PTAの活動を免除してもらうのに、精神疾患で療養中であることを告白しなければならなかった人もいます。なかには、「私は今、がんを患っていて、その治療のためにPTAの仕事はできません」って、わざわざそのことを言うだけのために学校に呼び出され、同じクラスの保護者の前で発言させられたという話もありました。活動の免除のために「診断書を提出しろ」なんて言う例は今でも山ほどあります。

――本来であれば加入も自由な任意の団体なのになぜ?

「必ずやらなきゃいけない義務」っていう考えがベースなわけですよね。そもそも、そのベースから本当は違うんだよ、っていうことを伝えたいと思っています。

「PTAなんか、ぶっこわせ!」と言ったほうが、タイトルとしては引きがいいですよね(笑)。でも、ぶっこわすことに関心があるわけではなくて、PTAは今みたいなやり方じゃないだろうということです。今ある問題点がもし直るのであれば直せばいいと思う。でも直るのかな、という思いもあり、モヤっとしている。

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「PTA」の名前から変えてもいいのでは?