同校の高橋博美校長は言う。
「適切なタイミングに声をかけ、児童の気づきを引き出すことがとても大事です。しかし教員がひとりで40人を相手にしているときにはなかなか手がまわりきりません。インターン生の役割は大きいです。インターン生にとっても学校で児童と触れ合う中から学ぶことは多いはずで、いい事業だと思います」
西脇さんは今春から小学校の教員になる予定で、こう話す。
「このインターンの教育実習にない魅力は、色々な先生の授業を見られることと、長期間児童と関わり成長を見られる点です。戸田第一小学校はICTを取り入れた授業も進んでいるので、その実践を知っておくことも貴重だと考えています」
教員の働き方について、文部科学省も改革を進めている。だが、抜本的な解決にほど遠く、しびれを切らした学生たちが起業に踏み出したのが、今ある動きだといえる。
前出のティーチャーエイド代表の櫃割さんは言う。
「3年前に団体を立ち上げたときには、学生が教員を助けるという趣旨に違和感を覚える教員の方々もいました。でも今は状況がだいぶ変わりました。国は一刻も早く教員や教員志望者が安心して働ける労働環境を整えてほしい。そのことが子どもたちにとって健やかな成長と学びにつながるはずです」
(編集部・石田かおる)
※AERA 2022年1月31日号