野茂に続いてホームランを放った日本人投手は、近鉄時代に野茂のチームメイトでもあった吉井理人(メッツなど)だ。ホームランを記録したのはロッキーズ在籍時の2000年5月26日のパイレーツ戦、本拠地クアーズ・フィールドでの一発。この日先発した吉井は6回に先制点を許したが、その裏に試合を振り出しに戻すホームランをフランシスコ・コルドバから放った。ちなみに打撃で多くの“日本人初”となったのは野茂だが、初盗塁を記録したのは吉井である。
そして野茂、吉井に続いて本塁打を放ったのは当時ドジャースでプレーしていた石井一久。日本時代はDH制のないセ・リーグのヤクルトで主にプレーし、3本のホームランをマークするなど打撃は元々得意だったがメジャーでのホームランはこの1本のみ。渡米3年目となった2004年7月31日のパドレス戦で、野茂が2本目の一発を放った相手でもある好投手ピービ―からライトスタンドへ見事なホームランを叩きこんでいる。
それ以降はなかなか日本人投手からアーチが飛び出すことはなかったが、これを打ち破ったのが2016年に海を渡った前田健太(当時ドジャース)。NPB時代にも2本のアーチを放っていたが、初登板となった4月6日のパドレス戦でホームランを記録した。2021年のデータでは6番目にホームランの出にくい相手の本拠地ペトコ・パークのレフトスタンドに飛び込む一発だった。
前田は現在ア・リーグのツインズでプレーしているが、2021年の正月に放送された「とんねるずのスポーツ王は俺だ!!」(テレビ朝日系)のリアル野球盤で放ったホームラン動画がMLBの公式サイトでも「ツインズの次なる指名打者になることができるか?」という文言とともに紹介され、メジャーでの初アーチの映像と一緒に紹介されている。
そして、最後に日本人投手から飛び出したアーチは2016年8月24日にダルビッシュ有(当時レンジャーズ)が放った“予想外の一発”。ダルビッシュはNPB時代にパ・リーグの日本ハムでプレーしていたため打席に立つこと自体が多くなかったこともあり、38打席で長打は2008年に放った二塁打が1本あるのみだった。