日本時代にも出なかったプロ入り初アーチはセンターに飛び込む特大の一発となったが、これはア・リーグ(DH制度あり)のレンジャーズでプレーしていた投手としては、1997年6月30日にボビー・ウィットが記録して以来となるレアなホームラン。当時のチームを指揮していたジェフ・バニスター監督も「センターへ一直線に飛んでいった。上手くとらえていたね」と満足の一発だった。

 なお、ホームランを打った日本人投手の多くが在籍していたドジャースで4年間プレーした黒田博樹は、254打席で記録した長打はメジャー1年目の2008年にマークした二塁打だけ。前田同様に打撃に定評のあった松坂大輔はア・リーグのレッドソックス時代には打席に立つことも少なく、45打席でシングルヒット7本とホームランはおろか長打を放つこともなかった。

 現在、大谷以外の日本人投手でDH制のないナ・リーグでプレーするのはダルビッシュのみ。そういった意味では今シーズンに日本人投手のホームランを見られるかは難しいところだろう。だが、投手が放つ思いがけない一発は日本でも大きな話題にもなる。今季も日本人の投手が打席に立つ時にはどういった結果になるのか、楽しみにしたい。