ドジャース時代の石井一久(写真/gettyimages)
ドジャース時代の石井一久(写真/gettyimages)
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 昨シーズンはエンゼルスの大谷翔平が投打の“二刀流”として大活躍した。投手として活躍しながら打者としても両リーグで3位となる46本のアーチを描いたが、大谷以外にも日本人投手でホームランを記録している選手はいる。そこで今回は決して多くはないが、これまで日本人投手たちがメジャーリーグで放ったホームランを振り返りたい。

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 まず、野手も含めメジャーリーグで初めてホームランを打った日本人選手は野茂英雄(ドジャースなど)だ。本数も大谷を除けばトップとなる通算4本で、複数のホームランをマークしているのも野茂だけ。初アーチはメジャー移籍後4年目となる1998年4月28日(以下、日付は全て現地時間)の本拠地でのブルワーズ戦。相手先発のホセ・メルセデスからドジャー・スタジアムのレフト側ブルペンに飛び込む一発を記録している。

 その後も2002年から3シーズン連続で1本ずつホームランを放っているが、全てドジャース在籍時のもの。自身2本目となる一発はのちにサイ・ヤング賞を受賞する右腕のジェイク・ピービー(当時パドレス)から記録するなど、ピッチング同様にバッティングのセンスも高いことを伺わせていた。

 メジャーで最後のアーチとなった4本目は2004年の対ヤンキース戦。この試合では自身がホームランを打った一方で、当時ヤンキースに在籍していた松井秀喜にライトスタンドに飛び込む3ランアーチを被弾し、先発投手としては7回4失点で負け投手となっている。

 これまで野手としてメジャーに挑戦した川崎宗則(ブルージェイズなど)が738打席で1本、西岡剛(ツインズ)が254打席で0本、今も現役選手としてレッズでプレーする秋山翔吾が366打席で0本ということを考えると、投手ながら543打席で4本を放った野茂はさすがと言えるのではないか。なお、野茂はブルワーズ時代の1999年にはメジャー133勝右腕のダリル・カイルから日本人選手初の三塁打を打ったことを含め、二塁打、打点、得点、犠飛、犠打など数々の“日本人初”を記録している。

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野茂に続いてHRを放った日本人投手は?