多岐にわたる分野で活躍しながら、自分はあくまでも「現代音楽の作曲家」であるという(撮影/伊ケ崎忍)
多岐にわたる分野で活躍しながら、自分はあくまでも「現代音楽の作曲家」であるという(撮影/伊ケ崎忍)
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 作曲家・音楽家、坂東祐大。ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」の音楽を担当し、「竜とそばかすの姫」の音楽チームにも参加。2021年は大躍進の年だった。映画やドラマの音楽で注目を集めるが、坂東祐大にとっての核は「現代音楽」。そこがブレたことは一度もない。多くの若手音楽家が「クラシック界を立て直したい」との思いを持つ。坂東もまた、次世代に残る音楽を作るための挑戦を続ける。

【写真】「報道ステーション」テーマ曲のレコーディングに立ち会う坂東氏

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 昨年12月、横浜のライブレストラン、ビルボードライブ横浜は、観客たちの熱気に包まれていた。ステージで披露されているのは、昨年の4月から6月にかけて放送されたドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」(脚本・坂元裕二、主演・松たか子)の音楽だ。右に小編成の弦管楽器隊が、左にジャズトリオが並ぶ珍しいステージの真ん中に、キーボードを弾きながら各演奏者たちに合図を出す坂東祐大(ばんどうゆうた)(31)の姿があった。同ドラマの劇伴と挿入歌の作曲を担当した、気鋭の若手作曲家だ。

 リハーサルのときから出演者たちに気軽に声を掛け、気さくに話すその様子には、いわゆる作曲家然とした気難しさはいっさいない。

「作曲家って、職業的にどうしてもひとりで集中して作業する時間が必要じゃないですか。なので、現場でスタッフや演奏者と触れ合うことは、僕にとっては特別な時間なんです。自分と違う角度で物事を見ている方とか、自分に無いものを持っている方と話すのが、とにかく楽しいんです」

「大豆田~」の放送が終了したあと、夏には音楽チームの一員として参加したアニメーション映画「竜とそばかすの姫」(監督・細田守)が公開。その後、昨年10月にリニューアルした「報道ステーション」(テレビ朝日系)の番組テーマ曲「Voices」を書き下ろすなど、2021年は、彼にとって大躍進の一年となった。

 坂東が「同業の先輩というより、お兄ちゃんみたいな感じで仲良くさせてもらっています」という作曲家の岩崎太整(42)。彼は、坂東を「大豆田~」のプロデューサーに紹介、さらには自身が音楽監督を務める「竜とそばかすの姫」の作曲家チームに招き入れるなど坂東の活躍の“陰の立役者”とも言うべき存在だ。坂東と話すたびに岩崎は、そのインプット能力の高さに驚かされるという。

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