看取り士の資格も持つ看護師の大軒愛美さんは言う。

「在宅療養は、家に引きこもるということではなく、身体が許せば自由に外に出たらいい。そのときに自費サービスを活用することで、安心して外に出ることもできる。例えば冠婚葬祭や同窓会などの外出に、3~4時間程度付き添ってほしいという依頼もあります。家族が一緒にいる方でも、痰の吸引が必要な方など、外出先で急に苦しくなったらと不安に思う方は少なくありません」

 自費サービスは、介護保険のように細かな制約がないため、思い切って希望をかなえることができる。行きたい場所、会いたい人、やりたいこと──終末期が近づけば、やり残したあれこれが頭に思い浮かぶこともあるかもしれない。

“最後のワガママ”をかなえるための選択肢として、考えてみてはどうだろう。(フリーランス記者・松岡かすみ)

週刊朝日  2022年2月4日号

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松岡かすみ

松岡かすみ

松岡かすみ(まつおか・かすみ) 1986年、高知県生まれ。同志社大学文学部卒業。PR会社、宣伝会議を経て、2015年より「週刊朝日」編集部記者。2021年からフリーランス記者として、雑誌や書籍、ウェブメディアなどの分野で活動。

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