看取り士の資格も持つ看護師の大軒愛美さんは言う。
「在宅療養は、家に引きこもるということではなく、身体が許せば自由に外に出たらいい。そのときに自費サービスを活用することで、安心して外に出ることもできる。例えば冠婚葬祭や同窓会などの外出に、3~4時間程度付き添ってほしいという依頼もあります。家族が一緒にいる方でも、痰の吸引が必要な方など、外出先で急に苦しくなったらと不安に思う方は少なくありません」
自費サービスは、介護保険のように細かな制約がないため、思い切って希望をかなえることができる。行きたい場所、会いたい人、やりたいこと──終末期が近づけば、やり残したあれこれが頭に思い浮かぶこともあるかもしれない。
“最後のワガママ”をかなえるための選択肢として、考えてみてはどうだろう。(フリーランス記者・松岡かすみ)
※週刊朝日 2022年2月4日号