国会の証人喚問で挙手する佐川宣寿氏
国会の証人喚問で挙手する佐川宣寿氏

 財務省の報告書では、当時同省理財局長だった佐川宣寿氏に責任があることを事実上認めている。だとすれば、国は、雅子さんに支払った1億700万円の支払いを佐川氏に求めるべきだ。もちろん、佐川氏以外にも責任ある者がいるなら、その人と分担させればよい。泉代表は、そのことを代表質問で岸田総理に提案した。

 実は、1月16日に泉代表は赤木雅子さんと面談している。その席上で、雅子さん側からこの指摘があり、それにこたえる形で泉氏が「岸田総理に対する提案」として、国会で取り上げた。さらに1月25日には、階猛衆議院議員も衆議院予算委員会で岸田総理に対して求償権行使を求めた。階氏も以前に雅子さんと直接面談した。一方の岸田総理は、雅子さんが求める面会を拒否し続けている。

 そして、岸田総理は、求償権行使についても、財務省の判断だとして拒絶した。だが、具体的な理由は述べていない。

 佐川氏に対する求償額は1億円と巨額だ。それを求められれば、佐川氏は、「自分だけではない、もっと悪い奴がいる」と真相を暴露し、自民党を揺るがす事態になるかもしれない。それが怖くて求償できないのだろう。

 野党は、本件を今後の国会の重大な争点として、追及を続けて欲しい。

週刊朝日  2022年2月11日号より

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