※写真はイメージです (GettyImages)
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 アニメのキャラクターだけでなく、家電や電車などで、“イケボ”と言われるイケてる声を発する商品が注目されている。イケボをはじめとした音声コンテンツビジネスの今後の可能性を探る。

【写真】「イケボ」声優・坂井ジェシーさん

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「材料をセットしたら男性の声が聞こえてきました。誰がしゃべってるのかと思ったら『ホットクック』でした。どうせなら優しい王子様系だったらよかったのに」「いろんな声の人がいておもしろい」「自分の推しの声だったら料理がさらに楽しくなりそう」

 家電製品が話しかける。それも、かっこいい男性の声で。

 今、“イケボビジネス”が拡大している。イケボとは、イケてるボイスの略とされ、イケメンを想像させるような心地いい声のことをいう。

「お風呂が沸きました」と教えてくれる給湯器や、「ありがとうございました」と言う自動販売機などはよく見かけるが、身近な家電製品が話す声がイケボでユーザーの心をぐっとつかんでいる。

 イケボ家電に力を入れている家電メーカーのひとつが、シャープ。新規ビジネスを開発しているシャープ・ココロ・ライフのソリューション開発部課長・安田一則さんはこう話す。

「当社はインターネットにつながって庫内の食品をもとにメニューを提案する冷蔵庫や、天気予報から洗濯を勧める洗濯機など、“AIot家電”という分野の商品があり、それらの家電が音声でしゃべります。そこではコンピューターの合成音声を使っていました」

 それらのAIot家電が普及にするにつれ、もっと違う声がほしいという要望があった。開発側としてもエモーショナルな部分が欠けていると思い、声優の声を採用したのがきっかけだという。

シャープのホットクック
シャープのホットクック

 2021年に育成シミュレーションゲーム「アイドルマスター」のキャラクターの声と「水なし自動調理鍋ヘルシオ ホットクック」をコラボさせた商品を発売したところ、反響が予想以上に大きかった。

「通常の商品が4万円程度ですが、限定なので価格はその2倍近くだったにもかかわらず大きな販売を記録しました。すでにホットクックを持っているのに“声”だけほしいという方も。社会の音声コンテンツへの理解と当社の商品の特性がうまく合致したのかなと思います」(安田さん)

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