現在、アイスホッケー部監督をつとめる田中渓也さんは同校OBで、2006、07年に高校総体準優勝を経験している。なお、田中さんの祖父、父も苫小牧東高校OBでいずれも同校アイスホッケー部の監督をつとめていた。田中家の3代にわたる指導には定評があり、地元の強豪、駒大苫小牧高校、苫小牧工業高校と切磋琢磨していた。

 同校は大学進学指導に力を入れており、卒業生の半数近くは国公立大学に進む。2021年の大学合格実績は北海道大13人、北海道教育大25人、小樽商科大7人、旭川医科大1人、弘前大11人、札幌市立大6人、釧路公立大4人など。

 南校長はこう続ける。

「文武両道という校風のもと、生徒は勉強と部活動を両立させ、それが上手にかみ合っています。部活動で培われた忍耐力が受験の最終段階で発揮されているといえるでしょう。高校入試ではスポーツ推薦を行っていませんが、なかには苫小牧東でアイスホッケーをやりたいという理由で、遠方から通う生徒もいます」

■「特別恵まれた練習環境ではない」

 2位は山形県立山形中央高校で、日本代表に5人を送り出した。

 スキー・フリースタイルの鈴木沙織さん(城北信用金庫)、スピードスケートの森重航さん(専修大学 3年)、一戸誠太郎さん(全日本空輸株式会社)、小田卓朗さん(開発計画研究所)、小坂凛さん(三重県スポーツ協会)である。2018年平昌大会でも5人が選ばれており、今回、連続出場を果たしたのが、 鈴木さん、小田さん、一戸さんの3人だ。

 山形中央高校校長の柴崎浩さんはこう話している。

「本校の卒業生5人が選ばれたことは非常にうれしい。選手のみなさんには体調を万全に整え、悔いのないよう、最高のパフォーマンスを見せてほしい、がんばってほしい。学校あげて応援しています」

 山形中央高校は1946年に旧制の山形公民中学校として開校し、1947年に山形産業高校となり、50年に現校名に改称した。

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山形中央は加藤条治の出身校