「インクルーシブ」「インクルージョン」という言葉を知っていますか? 障害や多様性を排除するのではなく、「共生していく」という意味です。自身も障害を持つ子どもを持ち、滞在先のハワイでインクルーシブ教育に出会った江利川ちひろさんが、インクルーシブ教育の大切さや日本での課題を伝えます。
オミクロン株の感染が急拡大する中、連日、休園や休校のニュースが流れています。校内に感染者がいなくても、学校行事が中止になったり、縮小されたりしたケースも多いのではないでしょうか?
医療的ケア児の長女が通う特別支援学校も例外ではありません。基礎疾患があり、感染すると重症化する恐れがありますが、「学び」の場面もとても大切です。今回は、コロナ禍で特別支援学校の子どもたちがどう過ごしているのかについてです。
修学旅行の代替企画は
我が家の長女は中学3年生です。本来なら、秋に2泊で箱根へ修学旅行に行く予定でしたが、デルタ株の感染が広がり、中止となりました。もちろん、保護者としては仕方ないことと納得していましたが、後日、代替企画が記載された手紙が届きました。内容はなんと「箱根という名の学校に行く」というものです。宿泊はせず、通常の登校時間内で3日間かけて箱根を満喫するとのことでした。
修学旅行当日、登校するとまずはスクールバスに乗り、近隣をドライブして箱根(学校)を目指しました。クラスでは事前に遠出を意識するための取り組みを行っていたため、活動の見通しをつけるこのプロセスもとても大切なのだそうです。予定通り、バスの中ではその日のイベントの確認や修学旅行の歌を楽しみ、スムーズに活動につながったようでした。
枕投げ体験も
修学旅行のメインイベントは、小田原の老舗かまぼこ屋さんからの出張講座でした。旅行中に店舗で作製予定でしたが、中止となってしまったため、業者の方がわざわざ学校に来て体験させてくれたそうです。長女は自分で好きな具材を選び、形をつくって完成させたかまぼこをおみやげに持ち帰ってきました。
他にも、温泉体験で水着を着てお湯に浸かったり、お湯のにおいをかいだり、温泉たまごをつくったり、木のかおりや感触を確かめたりと、しっかりと学びも入った3日間のプログラムでした。修学旅行ならではの「枕投げ体験」というユーモアたっぷりの企画もありました。