「長野五輪は特に母国開催で、周りの方からの応援もすごくて、また、言葉が通じる声援なので、私の場合はそうした応援が自分を後押ししてくれるタイプなんです。プレッシャーよりも応援される喜びなど、それが力になる。応援が嬉しすぎて乘っちゃった感じ(笑)。長野五輪のスピードスケートの会場は、いまはコロナ禍でシーンとしていますけど、当時は満席! 観客席が埋め尽くされた中での応援は感動的でした。皆さんの声援のウエーブを追いかけて滑走し、その声に追いついてゴールできた。あの応援も長野五輪でしか体験できなかったので記憶に残っています。私が死んだときには棺桶に入れて持って行きたいくらいです(笑)」
応援が印象に残っている岡崎朋美さんは、北京五輪に出場する選手から元気をもらっているという。
「冬季五輪は5大会連続出場しましたが、その間にも椎間板ヘルニアの手術をしたり、結婚・出産があったりしました。そこに全て記憶に残ることがあったわけですが、それが全て自分自身のスポーツ人生であり、また人間形成していく段階で成長できて、私生活の経験も競技人生の中になくてはならないものだったと思っています。今、例えば、小平奈緒選手が平昌五輪で金メダルをとって、北京五輪でもメダルを期待されるのを見ていると、うらやましいし“私も欲しい!”って思ってしまいます(笑)。彼女たちが頑張っているとなんだか欲が出てくるんですよ! 北京五輪を見ながら、気持ちだけは便乗したいなと思っています」
さて、北京五輪では、どんな印象に残る名シーンが出てくるか楽しみだ。
(AERAdot.編集部 太田裕子)