てんかんの発作が始まると、4週間くらい続きます。ばたばたと暴れて、落ちたりすると危ないので(実際に一度、落ちて歯が折れた)、高い物がない部屋で過ごさせ、(よだれや尿が飛んでもいいよう)壁にシートを貼ります。てんかんが起きると毛づくろいも自分でできなくなるのですが、その間、私はきっちゃんと一緒にグルーミングを手伝います。

 やっこはいつも好きな場所で寝ていますが、夜中2時から5時の間に寝室まで来て「お腹がすいたー」と要求して鳴いて、食べおわると「ごちそうさーん」と耳元で鳴きます。なぜか置いてあるごはんは気に入らず、開けたばかりのものを食べたがります。

 きっちゃんも2年前くらいから大声で、やっこと時間差で鳴くようになり、すごく眠いけれど、その都度私は、わかりました、と起きあがります。

 だって、今までずっとわが家の移動につきあってくれたですから、今度は私がとことんつきあわなければ。夫は鳴き声にも気づかず、ぐーぐー寝ていますけどね(笑)

 ◆ 何があっても生きてきた

 病気にはなりましたが、やっこは生命力そのものが強いのかもしれません。何事にも動じない性格も長寿に繋がったのかもしれないと、今になって思います。

 精神的にも自立していて、たとえば私が出かけて、友人が世話に家に来ても、普段とまったく変わらずに生活できるのです。逃げもせず、隠れもせず、いつもどおり、ごはんもモリモリ食べて。

 周囲の変化に左右されないからストレスも少なく、場所の移動も平気だったのでしょう。

 運も強いと思います。

 実は、海外からの移動時に、何度か大変なこともありました。(毎回行くのが先進国でないということもあり)キャリーバックがスーツケースと一緒に高い所からがーんと落ちてきたり、吹雪のなか、キャリーバッグが滑走路におきっぱなしにされて猫が真っ白になっていたなんてことも。

 そんな中を生き抜いた、がんばり屋さんです。

 夫の海外赴任の可能性は今後もありますが、猫たちの年齢を思うと、容易に連れていくことができません。もし何かあって、縁のない土地に埋めてこなければならなくなったらと思うと……だから今後、何年かは夫婦別居も視野にいれています。

 去年6月、犬のモモが急な病で亡くなりました。今は猫だけ。とにかくこれからは、落ち着いた老後を過ごしてほしい。私自身も健康に気を付けて介護を続けるので、あともう少し、一緒に過ごしましょうよ。

 長い間、連れ回してごめんね。これからもどうか、よろしくね。

今は日本でのんびり暮らす3匹(提供)
今は日本でのんびり暮らす3匹(提供)

(水野マルコ)

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