──和服好きとのことですが、狩衣は初めて?

 はい。烏帽子(えぼし)も初めてです。あんなに長い被り物をしたまま寝起きしていただなんて、当時はとても大変な暮らしぶりだったのだろうと思います。

 和服を着る上で一番大切だと感じるのは、姿勢と所作です。(市川)海老蔵さんとご一緒した歌舞伎(2019年の六本木歌舞伎「羅生門」)や、昨年の舞台「藪原検校(やぶはらけんぎょう)」など、これまでの経験の積み重ねが今回少しでも生かされるといいなと思っています。

──平安時代に抱いているイメージは?

 優雅できらびやかなイメージです。お客様を平安時代にいざなうのが、今作での役者陣の務めでもあると思います。見たことのない世界をどう表現していくのかというのは、楽しみの一つです。

 お客様にとって、この舞台が和のものに触れるきっかけになったらうれしいです。普段着物を着る機会がない方は、劇場に着物でいらっしゃるのもいいかなと思います。

 僕は、やはり和服が好きなんです。今後は着物を着用してのお仕事もしてみたいです。アートも好きなので、アートに関わる仕事にも興味があります。いつかキュレーションに挑戦したいです。

(構成/本誌・大谷百合絵)

週刊朝日  2022年2月18日号

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