プロ野球のキャンプも中盤戦に入ってきたが、オフの移籍市場は比較的静かな動きに終始したという印象が強い。フリーエージェント(以下FA)権を行使し、他球団へ移籍したのは又吉克樹(中日→ソフトバンク)だけ。2月14日時点でトレードも行われていない。
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しかし、そんな中で大きな話題となったのが西川遥輝、大田泰示、秋吉亮という主力選手3人が“ノンテンダーFA”という形で退団したことではないだろうか。西川は楽天、大田はDeNA入りが決まったが、秋吉は結局NPB球団からのオファーはなく、今年BCリーグから分離して発足する日本海オセアンリーグの福井ネクサスエレファンツへ加入することとなった。
NPBでFA制度がスタートしたのは1993年オフからであるが、超のつく大物はメジャー移籍をするケースが増えており、複数年の大型契約を結んで移籍してもそれに見合う活躍ができなかった例も少なくない。また残留したとしても再契約金の発生や、それまでの年俸から大きくアップするようなこともあるため、球団としてはコストが増えるケースも多かったはずだ。
そんな中で日本ハムは以前からFA権を取得した選手を積極的には引き留めない方針をとっていたが、今回はさらにそこから一歩踏み込んだ形と言えるだろう。実績のある選手を単純に「自由契約」にするのではなく、「ノンテンダー」という言葉をあえて使うことで、選手、ファン、他球団に対してもネガティブなイメージを持たせないという狙いもあったように考えられる。
そして日本ハムがこのような思い切った方針をとったことで、他球団も続く可能性はやはり否定できない。選手にとってみればこれまではFA権の取得がプラスになっていたことが、逆にマイナスに働くケースも出てくるのだ。ちなみに今シーズン中に新たに国内FA権を取得する可能性のある選手をピックアップしてみたところ、以下のような顔ぶれとなっている(※年俸は推定。複数年契約が残る選手を除く)。