一方、米疾病対策センター(CDC)予防接種諮問委員会が約27万人を解析したところ、モデルナ製もファイザー製も、2回目よりも3回目の接種後の方が、局所の副反応も、全身の副反応も、発生頻度が低くなる傾向がみられた。また、追加接種を受けた約73万人の調査では、最初の2回のワクチンがファイザー製でもモデルナ製でも、追加接種でモデルナ製を打った方が、ファイザー製を打った場合よりも、副反応がやや強く出る傾向があった。とくに最初の2回がファイザー製だった場合、追加接種がモデルナ製だと、ファイザー製に比べて20ポイントほど副反応が起きる頻度は高かった。
これは、最初の2回とは異なるワクチンが体内に入り、異なる免疫反応を起こすからだと考えられる。副反応が強く起きるのは、体内で強い免疫反応が起きるからだ。裏返せば、その分、効果も高くなる。それが、英国のリアルワールドのデータで示されたように、モデルナ製の方が発症や入院を防ぐ効果がやや高いことにつながっている。
政府の新型コロナウイルス対策分科会の尾身茂会長は5日、都内の自衛隊の大規模接種会場で追加接種を受けた。最初の2回はファイザー製、追加接種はモデルナ製という交互接種だったと説明し、こう強調した。
「高齢者は感染すると重症化しやすいので、ワクチンの種類にかかわらず、できるだけ早く打つことをおすすめする」
(科学ジャーナリスト・大岩ゆり)
※AERA 2022年2月21日号より抜粋