女子大生表紙は撮られるほうはドキドキするでしょうし、その一方で有名になれるかもしれないという野心もある。そういう思いが凝縮された、そのときにしか持っていない魔力を撮りました。その人の一瞬しかない魅力、野心、緊張を凝縮した一枚ですね。

 僕の表紙は半世紀は続くと思った。でも僕が最後に撮影してから年月が経ち、紙媒体がこんなに変わるとは思ってもみなかった。もし、もう一度、週刊朝日の表紙を撮るなら、何か新しい方法を生み出して臨むでしょうね。

 写真は時代の映し鏡で、週刊誌も時代を映した媒体です。常に新しいものを生み出さないといけない。表現とは実験性を受け手に突きつけないといけない。そういう戦略を立てていつも臨んでいます。その戦略が見事に結実したのが週刊朝日でした。

篠山紀信(しのやま・きしん)/写真家。1940年生まれ。日本大学芸術学部在学中に広告写真家協会展APA賞を受賞。76年にはベネチア・ビエンナーレ国際美術展の日本館に代表作家として選出されるなど、キャリアの初期から高い評価を得る

週刊朝日  2022年2月25日号

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