さらに昨年10月、岸田首相に「(コロナ)病床確保に当たっては、国立病院機構法等に基づく要求など国の権限を最大限活用し、必要な医療体制の確保に万全を期す」とやり玉に挙げられていた。
しかし、AERAdot.が1月27日に既報したように、第6波に備え、NHOが準備していた臨時医療施設の開設が3月上旬以降になるなど、呆れるような実態が明らかになっている。今回の問題は改めてNHOの課題が明らかになった形だ。
●NHO本部「人事に関しては回答を控える」
NHO本部および土井院長はどのように答えるか。コロナ患者の受け入れを制限していたのか、医師や看護師が大量に離職したのは事実か、医科歯科化は進んでいるのか、パワハラはあったのか、院長の定年延長は決まったのかなど質問状をNHO理事長と土井院長宛に送ったところ、以下の回答がNHO本部から来た。
コロナ対応については
<新型コロナウイルス感染症対応に積極的に取り組むという考えは国立病院機構として当初から一貫しており、それぞれの病院の機能や状況に応じた様々な工夫を凝らして病床確保や医療従事者派遣等に取り組んできております>
<先般厚労大臣から求めがあった東京都及び大阪府に新増設する臨時の医療施設への医療人材派遣についても、2月中旬から3月末日まで看護師延べ76人、薬剤師延べ15人を派遣することとし、後藤厚労大臣から「感染が非常に厳しい中で、協力をいただいていることに対し、本当に心から感謝を申し上げたい」とのご発言をいただいております>
などと回答した。
それ以外の質問に対しては、
<職員の人事に関するご質問については、詳細な回答は差し控えます。災害医療センターにおいて、診療科Aの医師の離職や他の診療科で医師の交代があったことは事実ですが、病院の医師の人事は、各病院が主体となって本人の希望をはじめとする様々な考慮要素を総合的に判断、調整するものであり、同センターの場合も事情は同様です>
と回答した。医師の離職や医師の置き換えがあったことは認めたが、詳細には答えなかった。(回答全文は記事後段に記載)