連日のメダルラッシュとなった北京冬季五輪。過去の大会同様、数々の名勝負、名シーンが生まれたが、同時に選手たちが競技直後に発した「言葉」の数々もまた非常に印象的だった。この冬、北京の地で生まれた「名言」を振り返りたい。
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■「本当の夢は金メダル」
開会式から一夜明けた2月5日、日本勢の今大会メダル第1号となったのが、フリースタイルスキー男子モーグルの堀島行真だった。有力候補に挙げられながらも予選1回目では本来の滑りができず。だが、予選2回目で決勝進出を果たすと、決勝ではバランスを崩しかけたが、「諦めちゃダメだと思って」と即座に立て直して勢い良くフィニッシュして銅メダルを獲得。「ネガティブな気持ちが多かった。昨日も今日の朝も辛かった。最後の1本を滑るまで安心できなくて」と自らの心境を振り返りながらもメダル獲得に「ホッとした」と安堵の表情。そしてその後に「本当の夢は金メダル。またここから競技を頑張りたい」と続けた。開会式でのバク転でも話題になった24歳の視線は、早くも4年後に向けられていた。
■「たくさんハグしてあげました」
続いて、日本の金メダル第1号となったのは日本ジャンプ陣のエース・小林陵侑だった。2月6日の男子個人ノーマルヒルで大飛躍を披露して、1998年長野五輪ラージヒルの船木和喜以来となる日本勢24年ぶりの個人での金メダルを獲得した。直後のインタビューなどでは淡々とした口調が印象的な小林だったが、その翌7日のスキージャンプ混合団体で再注目。高梨沙羅を含む5人が失格となったことが大きな波紋を呼んだが、日本チームは高梨のジャンプが「0点」になった後も諦めることなく必死の追い上げを見せて4位。そして、試合直後のインタビューで「(失格となった)高梨にどんな言葉をかけたいか?」と問われた小林は、「たくさんハグしてあげました」と回答。最後のジャンプの後に泣き崩れた高梨を何度も優しく抱きしめた自らの行動を振り返りながら、明るく努めた。