G1レース通算6勝のゴールドシップ
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 競馬ファンたちにとって永遠に答えが出ない話題のひとつが最強世代談義。いつから競馬を見始めたかにも大きく影響されるため、ファン自身の世代によって「推し世代」が違ってくるはず。今回は20世紀末以降に絞って3つの世代をピックアップしてみようと思う。

【写真】武豊騎手が乗りこなした「ウマ娘」モデルの名馬たち

 その前に、まずは「最強世代」と呼ばれるための条件から。何より欠かせないのは、年上や年下の馬たちを相手にG1で好成績を挙げた馬たちが多いこと。同世代で競うクラシック路線で主役を張った馬たちが古馬と対戦し始める3歳秋以降にさっぱり勝てなくなると、その世代はレベルが低いという評価をされがちだからだ。

 その典型例だったのが2000年のジャパンカップ。このレースには同年のダービー馬アグネスフライト、二冠馬エアシャカール、NHKマイルカップを制したイーグルカフェ、さらにはオークス馬シルクプリマドンナと4歳世代(旧馬齢表記)のトップクラスが揃っていたが、彼らの着順は順番に13着、14着、15着、16着。ひとつ上の最強馬テイエムオペラオーらに全く歯が立たず、2000年世代は弱いという印象を決定づけてしまった。

 もちろん競馬は相手あってのものなので、上下の世代の層が厚いか薄いかで結果は変わってくる。そうした運も味方につけた世代が最強世代と呼ばれることになるのだろう。

 なお本記事では、便宜的にその世代がクラシックを走った年を基準に「〇〇年世代」と呼ぶことにする。

【1998年世代】

 さて、最強世代を語るときに真っ先に口にする人が多いであろう年は1998年世代だろう。人気ゲーム「ウマ娘」のアニメでも大きく取り上げられたため、当時をリアルタイムで知らない若いファンたちにもお馴染みだと思われるこの世代からまず始めよう。

 最初に世代の力を見せたのは、クラシックで皐月賞と菊花賞の二冠を制したセイウンスカイ。菊花賞のステップレースとして出走した京都大賞典で1歳上の天皇賞(春)勝ち馬メジロブライトを撃破した。

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他にも名馬揃いだった「1998年世代」の活躍