【2018年世代】
層の厚さで言えば、他の追随を許さないのがこの18年世代。主役となったのは同世代の牝馬三冠だけでなく天皇賞(秋)の2連覇にジャパンカップ2勝、ヴィクトリアマイルに海外G1のドバイターフまで制した史上最強牝馬の呼び声も高いアーモンドアイだった。
この女傑の存在もあって牡馬クラシック組は影が薄くなったが、菊花賞馬フィエールマンは天皇賞(春)を連覇。ブラストワンピースも3歳時に古馬を相手に有馬記念を勝利した。また古馬になってからパワーアップしたグローリーヴェイズは香港ヴァーズを2勝、メールドグラースは豪G1コーフィールドカップを制すなど、この世代は海外G1でも結果を出している。
短距離路線にも隙がない。高松宮記念を19年からミスターメロディ、モズスーパーフレア、ダノンスマッシュが3連覇。ダノンスマッシュは20年末に香港スプリントも制している。スプリンターズステークスでも19年にタワーオブロンドンとモズスーパーフレアがワンツーフィニッシュを決めた(3着ダノンスマッシュ、4着ミスターメロディと上位を独占)。
マイル路線では3歳時にステルヴィオがマイルチャンピオンでひとつ上のペルシアンナイトやアルアインらを下して優勝。古馬になってからはインディチャンプが19年に安田記念とマイルチャンピオンシップの春秋マイルG1制覇を達成した。ヴィクトリアマイルも19年にノームコア、20年にアーモンドアイで世代連覇を成し遂げている。
2歳女王ラッキーライラックは3歳クラシックこそアーモンドアイの後塵を拝したが、古馬になってエリザベス女王杯を連覇。さらに牡馬混合の大阪杯も勝利した(2着はひとつ下の名牝クロノジェネシスだったが)。
ダート路線も充実していた。3歳時はルヴァンスレーヴが南部杯とチャンピオンズカップを連勝。チュウワウィザードも5歳時の20年にチャンピオンズカップを勝ったほか、川崎記念を2勝、JBCクラシックを1勝し、ドバイワールドカップでは2着と好走した。
オメガパフュームは18年から東京大賞典を4連覇する偉業を達成。帝王賞勝ちも含め、大井競馬場で無類の強さを誇った。アルクトスも昨年まで南部杯を2連覇中と長く一線級を張っている。