ドラフト候補に関する情報が年々増えていることもあって、かつての森山良二(ONOフーヅ→1987年西武1位)のような驚きの1位指名はなかなか見られなくなったが、それでも事前にそれほど評判になっていなかった選手が上位で指名されるケースは確かに存在している。
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特に抽選で外れた後の“外れ1位”や“外れ外れ1位”と、球団のニーズを強く反映した2位指名に多い印象だ。そしてその多くは粗削りだがスケールが大きく、将来の大化けを期待した選手であり、今年のルーキーであれば大勢(翁田大勢・巨人1位)、鵜飼航丞(中日2位)、安田悠馬(楽天2位)、池田来翔(ロッテ2位)、そして外れ1位ではないもののブライト健太(中日1位)もそのカテゴリーに分類されるだろう。
そんないわゆる素材買いと言える上位指名だが、果たしてどんな選手がいるのだろうか。2010年以降のドラフトでの成功例としては、以下のような選手の名前が挙がった。
柳田悠岐(広島経済大→2010年ソフトバンク2位)
鈴木誠也(二松学舎大付→2012年広島2位)
山川穂高(富士大→2013年西武2位)
宗佑磨(横浜隼人→2014年オリックス2位)
高橋優貴(八戸学院大→2018年巨人1位)
2010年以降最高の成功例としては柳田と鈴木の2人になるだろう。柳田はリーグ戦では6度のベストナインに輝くなど成績を残していたものの、所属している広島六大学野球は地方連盟の中でもプロへの選手輩出数が極めて少ないリーグということもあって、その成績だけでは判断するのが難しかったことは間違いない。実際、3度出場した全日本大学選手権でも目立った結果は残しておらず、3年時に対戦した大塚豊(創価大→2009年日本ハム2位)には完全に崩されて打ちとられていた。王貞治会長が、2位指名の候補に挙がっていた野手の中で「誰が一番(遠くへ)飛ばすんだ?」と聞いたことが決め手となって、柳田を指名したというのは有名な話だが、その決断が奏功した指名となった。