3月に入ってから、さらに多くの大学学長が声明を出すことが予想される。
大学の役割は教育、研究、社会貢献にある。社会貢献のなかには難解な専門領域をわかりやすく解説すること、そして、学問分野から社会に向けて提言することが含まれる。他国への軍事侵攻に対する抗議がその好例である。ある国が危険な政策を打ち出そうとしたとき、それを食い止めるために抗議することだ。もちろん、そこには日本も含まれ、それは大学の責務となる。
今回、ある大学関係者からこんな話を聞いた。
「学長は早く抗議したかったけれど、学内で合意がなかなか得られず準備に時間がかかった」
「学問の府として抗議声明を出したかったけど、学長は政治的発言を好まなかった」
大学にはそれぞれ事情がある。
世の中で大変なことが起こったとき、大学はどんな見方を示すのか。それに対してすぐに答えてくれる大学は、多くの人から信頼を得られるのではないだろうか。
<2月末、判明分。学長声明はすべて大学ウェブサイトからの引用>
(教育ジャーナリスト・小林哲夫)