大阪観光大は観光面からの抗議声明だ。
「武力による平和破壊に抗議する学長声明
大阪観光大学は、「観光は平和へのパスポート」という国連決議(1967年)の精神に添って、孤立と対立のない平和な共生社会の実現に貢献する道を歩んでいます。今回のロシアによるウクライナ侵攻は、その立場から許容できない行為であり、強く抗議するとともに、早期の平和的解決の実現を訴えます。2022年2月28日 大阪観光大学学長 山田良治」
大阪観光大は近年、法人理事会での不祥事のため民事再生手続を行ってきたが、再建が順調に進み、2022年4月、新しい体制がスタートする。これを機に、同大学は「自由を共に楽しみ、社会を共に生き抜く」を掲げ、(1)束縛から自由へ、(2)孤立から共生へ、(3)浪費から持続へ、という3つの基本理念を打ち出した。
このうち、とくに(2)孤立から共生へが、今回の声明に関わってくる。山田良治学長はこう説明する。
「大学として、共生、つまり共に生きる世界市民の育成をめざしています。世界中で暴力紛争がおこるなか、平和な社会の実現に寄与することをうたっており、こうしたなかでロシアのウクライナ侵攻が起こり、観光系高等教育機関の責務という思いでこの声明を出しました」
観光と平和のあり方について、山田学長はこう補足する。
「観光に行こうとした場合、戦争が起こっている状態ではその地域、国を訪問することはできません。観光の発展は平和な状況がどれだけ確保されているかに依存しています。観光と平和は表裏一体と言えます」
今回、抗議声明を出した学長は、その大学ならではの立場から発信している。
北海道大はロシアとの交流からこう訴えた。
「2022年2月24日に開始されたロシアによるウクライナ侵攻は、紛争の平和的解決という国際的、普遍的合意を無視したものであり、許容されないものです。(略)これまで、北海道大学は、日露大学協会・日露学長会議など日露間の大学間交流に深く関わってきており、現状を深く憂慮するものです。アカデミアの連携については、これまでの成果を尊重します。 国立大学法人北海道大学総長 寳金清博」(一部抜粋)