“戦国時代”が続く大学駅伝界。出雲で東京国際大、全日本で駒澤大、そして箱根では青山学院大が優勝した2021年度が終わりを告げ、春の到来とともに2022年度が幕を開ける。そこで注目したいのが、各大学の新入生たち。「新1年生の充実度」をランキング形式で発表したい。
まず、誰よりも注目したいランナーが、駒澤大に入学する“史上最速の高校生” 佐藤圭汰(洛南高)である。昨年10月に5000mを13分31秒19で走破し、前年に石田洸介(東農大二高、現東洋大)が16年ぶりに更新したばかりの5000mの高校記録(13分34秒74)を3秒以上も更新。1500m(3分37秒18)、3000m(7分50秒81)でも高校歴代最高タイムを樹立した“怪物”だ。
入学後はまず、トラック種目で今年7月の世界選手権出場を目指すプランを表明しているが、夏以降は駅伝を見据えたトレーニングに移行する見込み。183センチの長身も含めて、ポテンシャルは過去最大級だ。その他にも駒澤大には、5000m14分01秒の山川拓馬(上伊那農高)、同14分08秒の帰山侑大(樹徳)、同14分10秒の山下結(智弁奈良カレッジ)らが加わることになっている。
その駒澤大を上回り、「新1年生充実度ランキング」の1位に推したいのが、今春の箱根で10年ぶりのシード権を獲得した中央大だ。最注目は、その箱根の1区で区間新をマークした現エース・吉居大和の2歳下の弟、吉居駿恭(仙台育英高)だ。5000m13分56秒に加えて、昨年11月には10000mで高校歴代3位となる28分11秒を記録。このタイムは兄・大和の高校時代のタイム(28分35秒)を上回っている。兄弟同時出場(高校1年&3年)での都大路制覇に続き、今度は箱根路制覇へと挑む。
さらに5000m13分56秒の伊東夢翔(国学院大久我山高)も兄・大翔が中央大3年に在籍しており、兄弟共闘に期待。さらに、溜池一太(洛南高)も高校時代はチームメイトの佐藤圭汰の陰に隠れていたが、5000m13分55秒と実力は間違いなし。この5000m13分台のタイムを持つ3人も含め、新1年生として大量10人の推薦合格者が発表されており、古豪完全復活へ向けてチーム内競争、選手層のアップは間違いない。