20代はやはり孤独感が圧倒的に高い。ただ、2回目の調査では改善傾向が見られた。調査を行った同研究所研究副部長の村山洋史さんはこう話す。
「調査した時期の社会状況を比べると、たとえば大学生で言えば対面授業やサークル活動が少しずつではあるけれど戻ってきた。孤独感を低めた原因かと思います。SNSを使いこなして繋(つな)がることを含めて、上の世代よりも適応できた面もあるでしょう。ただ、孤独感が高いことに変わりはありません」
この孤独感について、明星大学准教授で臨床心理士の藤井靖さんは、20代前半に特有のある心理的特徴を指摘する。
「人がアイデンティティーを確立するのは、個人差はありますが20代前半くらい。その中で、『人と自分を比べてしまう』ということが起きるんです。孤独だと思った時にSNSなどで日々充実してそうな人を見ると『やっぱり自分は孤立してるのでは』と。20代前半が孤独感を強めやすい一つの要因です」
(編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年3月7日号より抜粋