「最近の共学校人気を反映しているのか、数年前に共学化した文化学園大学杉並(東京都杉並区)、八雲学園(東京都目黒区)なども堅調です。特に男子の増加が目立ちます」(安田さん)
今年から共学化し、校名変更するサレジアン国際学園(東京都北区)、千代田国際(東京都千代田区)は前年よりも志願者は増えたものの、思ったほどの伸びはなかった。
一方、女子校の人気も健在だ。「コロナ禍で学校見学が思うようにできなかったためか、伝統のある女子校が人気です。特に募集枠が多い学校が増加しています」(森上さん)
■伝統女子校は生徒のメンタルケアが好印象
実践女子学園(東京都渋谷区)が1632人から2726人、跡見学園(東京都文京区)が1488人から1540人、山脇学園(東京都港区)が2745人から2990人、共立女子(東京都千代田区)が1287人から1453人へと増加している。
「休校中のオンライン授業への対応もそうですが、特に女子校はオンラインで生徒とのつながりを保った。生徒のメンタルケアをきめ細かに行い、それが保護者の好感を呼んだようです」(首都圏模試センター取締役教育研究所長の北一成さん)
人気が続いた男子校は倍率が高くなって敬遠されたのか、やや緩和した。城北(東京都板橋区)は1592人から1523人、巣鴨(東京都豊島区)は2066人から1727人に減少。代わりに大学実績が好調だった攻玉社(東京都品川区)が1186人から1331人、芝(東京都港区)が1605人から1617人に増やした。
湾岸地区の学校も堅調だ。かえつ有明(東京都江東区)が2466人から2793人、安田学園(東京都墨田区)が2365人から2640人、青稜(東京都品川区)が2429人から2438人に増加。昨年共学化した芝浦工業大附属(東京都江東区)は2040人から1910人と減らしたものの志願者は堅調に推移している。
「東京都は湾岸地区に加えて、世田谷区、文京区あたりの志願者が増えています。三多摩地区は付属校に志願者が取られて、進学校が受けやすくなっています。受験の重心が、かつてよりやや東京の南部に傾いている印象があります」(森上さん)
(文/柿崎明子)