「23年開場予定の日本ハム新球場への期待度も非常に高く、世界に誇れるスタジアムを建設することができれば最高です。しかし莫大な時間とお金がかかりコロナ禍で打撃を受けた巨人にも余裕はない。観客数が少なくても大きな収入を得るためのビジネスモデルを作っているのだろう。チケット、グッズ、飲食なども重要だが、『試合日の球場内収入が大きな柱』というスポーツビジネス界の常識も変わろうとしている」(スポーツマーケティング関連会社関係者)
88年開場のドームは老朽化も進み新球場建設への期待は大きい。しかし都内一等地という現在の立地条件をクリアする場所はほぼ残されていない。現在地で建て替えるにしてもその間の本拠地の問題が出てくる。そしてコロナ禍においては野球を含めエンタメ界全体の先行きが不透明な状態。そうなると新球場建設案を凍結させドーム大改修を選んだのはビジネス的に正解ともいえる。
世界有数の都市・東京を代表する球場が今のままでは寂しい感じもしなくはないが、未曾有の状況下ではサバイバルがまずは重要課題。巨人とドームの英断が成功例となればスポーツビジネスのモデルケースともなりうる。観客動員だけに左右されない球団経営は成功するのか。今季の巨人の戦いぶりと合わせて注目したいところだ。