大阪コロナ大規模医療・療養センターのしおり
大阪コロナ大規模医療・療養センターのしおり

 AERAdot.が入手したしおりには入所時に必要な衣類として、<温度調整可能なもの推奨。セーター、タイツ、厚手の靴下等も忘れず館内は寒いので着替えも持参><救急車で来る場合は外出用の服と下足も><カイロ 防寒用>と記されていた。

 府が「寒い」と認めている「野戦病院」でコロナ患者を療養させていることになる。

「入所時にセンターの中は撮影するなという書類にサインさせられる。野戦病院がいかにひどいか、SNSとかに出されるのが嫌なのでしょうね。一度、写真を撮ろうしたら、ダメですとスタッフから止められたこともある。患者さんが少ないので、ガラガラ。スタッフも暇そうです」(Aさん)

 岸田文雄首相は感染拡大に対応するため、東京都と大阪府に臨時医療施設として計1000床ほど増やすと2月に表明した。大阪府には350床を追加、そのうち200床はセンターの病床があてられている。要するに、1000床のうち200床は、国の支援があって運用できているということだ。

「吉村知事がセンターの開設を打ち出し、候補がいくつかあがった。吉村知事が『野戦病院』とこだわり、強烈にアピールできる場所として、病院ではなく、インパクトがあるという理由でインテックス大阪となりました。センターは200床が国の支援となっているが、それすら埋まりません。国際展示場なので床はコンクリート、天井は高い。案の定、療養者が『寒い』を連発し、場所も大阪市内の中心部からは遠いので敬遠されています。正直、失敗ですよ」(大阪府幹部)

 それに対し、吉村知事は記者会見で「入院の必要性が高い方もいれば、そうじゃない方もいらっしゃる。センター等で受け入れて支援するということをやっていく」と大規模医療・療養センターの活用を訴えた。

 2月中旬からセンターへの入所対象の年齢を40歳未満から60歳未満に引き上げた。だが、府が新規感染者のために開設した、電話で宿泊療養などを調整する「自宅待機SOS」関係者はこう訴える。

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