「インテックス大阪」にある大阪コロナ大規模医療・療養センター(内覧会で撮影)
「インテックス大阪」にある大阪コロナ大規模医療・療養センター(内覧会で撮影)
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「野戦病院はとにかく寒かった、こういうものだったんだと思い知った。療養する場所じゃないですね」

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 こう話すのは、大阪府内在住の30歳代の男性Aさんだ。

「野戦病院」と語るのは、大阪府が吉村洋文知事の肝いりで84億円をかけて国際展示場「インテックス大阪」を改装し、開設した新型コロナウイルス感染者向けの大阪コロナ大規模医療・療養センター(以下センター)のこと。

 無症状・軽症患者用800床、中等症患者用200床、合計1000床で病床ひっ迫といわれる大阪府にとって「救いの神」となるはずだった。

 そして無症状・軽症患者用は1月31日、2月15日に中等症患者用が開設された。2月4日にはじめて1人の入所があったが、翌日には宿泊療養でホテルに移動。その後、2週間は0という日が続き、3週間経過してようやく18人。3月7日までにセンターを利用した患者数、累計はたった133人だ。

 冒頭に語ってくれたAさんは、軽症で2月下旬に入所した。センターの1日は、朝7時くらいになると起床のアナウンス。その後、スマートフォンにダウンロードされた、厚生労働省の新型コロナウイルス感染者等情報把握・管理システム「HER-SYS(ハーシス)」に体温などを入力するように求められる。

 それが終わると、自分で朝食を取りに行く。その後、看護師から連絡が入り、体調などを聞かれて、昼食。午後は洗濯など自由時間で、6時頃に夕食という。部屋は広い展示場をオフィスなどで使われるパーテーションで区切り、ベッドと小さなテーブルがある。

「食事はスタッフに聞いたら『AERAdot.の記事の反響が大きく、今はメニューがよくなった』と言ってました。私が入所していた時は、1食900円に満たない中身の弁当ばかりでした。部屋はよくある病院の個室で最低限のものはあります。しかし、天井が吹き抜け、床は薄いカーペットがあるだけで、いくら着こんでも足元から冷えてきた。共同のシャワーがありますが、寒いので昼に入っていたが、それでも寒かった。トイレもインテックス大阪でも共同で利用しているもの。咳や話し声も響き、プライバシーもあまり確保されていない。自由時間にフリースペースで親しくなった人と話していると寒さが話題になった。その人は分厚い靴下など重装備をしていた。府が配布しているセンターのしおりに分厚い靴下を用意するように載っていたんですよ」(Aさん)

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今西憲之

今西憲之

大阪府生まれのジャーナリスト。大阪を拠点に週刊誌や月刊誌の取材を手がける。「週刊朝日」記者歴は30年以上。政治、社会などを中心にジャンルを問わず広くニュースを発信する。

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