東大と京大の合格者が3月10日に発表された。東大では2996人、京大では2738人の受験生が喜びの春を迎えた。
週刊朝日は、サンデー毎日・大学通信と合同調査を行い、高校別の合格者数を集計した。
今年も学内に合格を知らせる掲示板はなく、ホームページ(HP)での発表となったが、正午ごろ、東大赤門前には友人らと手を握り合って喜ぶ受験生たちの姿があった。
「ありました、ありました!」
新宿(東京)3年の男性は、真っ先に勉強を支えてくれた母親に報告した。文科三類を受験。スマホを何度も更新しながら発表を待っていたが、HPにつながらない。10分ほどたってようやく結果を見られた。
「おめでとうの一言でしたが、本当にうれしい。自分が東大生なんて、まだ信じられません。家が裕福ではなく、福祉支援に助けられてきました。将来は、社会的弱者の方に手を差し伸べられる政治家か、官僚になって福祉事業に取り組みたい」
理科二類を受けた淑徳巣鴨(東京)3年の小松里颯(り・ふう)さんは、自宅で合格を確かめると、母親と写真を撮りにやってきた。
「高校初の東大合格者なんです。学校にメールで報告したら『職員室が大騒ぎになっている』と喜んでくれました。東大が不合格なら、すでに合格している私大に進むつもりでしたが、よかった。食品に関心があるので、大学では応用化学を学びたい」
一浪して理科一類に受験した男性(19)は、家族全員で赤門前に来た。現役だった聖光学院(神奈川)時代には不合格だった悔しさを跳ね返し、合格を勝ち取った。
「父親は東大卒で姉も東大在学中なので、東大に行かなければというプレッシャーがありました。合格発表は自宅で母と見ましたが、番号を見つけたときは二人で泣いて飛び跳ねました。とにかくほっとしました。将来は人工知能の研究者になりたいと思っています」