小園以外の野手では安田尚憲(履正社→ロッテ)、林晃汰(智弁和歌山→広島)、野村佑希(花咲徳栄→日本ハム)の3人もレギュラークラスとなっている。特に林(102試合出場 打率.266、10本塁打)と、野村(99試合出場 打率.267、7本塁打)は昨年大きく成績を伸ばしており、近い将来のチームの主砲として成長することが期待されている。
一方でプロの壁に苦しんでいる選手が多く、投手では吉田輝星(金足農業→日本ハム)、野手では清宮幸太郎(早稲田実業→日本ハム)、中村奨成(広陵→広島)、根尾昂(大阪桐蔭→中日)、藤原恭大(大阪桐蔭→ロッテ)などの名前が挙がる。最もレギュラーに近いのは藤原で、昨年は7・8月度の月間MVPに輝くなどブレイクを予感させたが、左肩の不安と調子の波がネックとなっている印象だ。チームは他にも有望な外野手が多いだけに、楽観視できない状況と言えるだろう。大阪桐蔭で藤原とともに春夏連覇の立役者となった根尾も苦しい状況だ。昨年はプロ初ホームランを放つなど一軍で72試合に出場したものの、打率は1割台と低迷。今年は内野手から外野手へ登録変更となったが、1学年下の岡林勇希(菰野)や今年加入した3人のルーキーなどライバルは多い。課題である打撃の確実性を向上できなければ、出場機会を増やすことは難しいだろう。
そんな中で今年が大きなチャンスの年になりそうなのが吉田、清宮、中村の3人だ。吉田と清宮の所属する日本ハムは昨年から実績のある選手が多く抜け、新庄剛志新監督が就任するなどチームの変革ムードは高く、吉田はフォーム改造、清宮は減量とキャンプでも今までとは違う取り組みを見せている。新球場が開場する来年が勝負と考えて、ある程度今年は我慢して一軍で起用する可能性も高そうだ。中村も主砲の鈴木誠也が退団したことが追い風となりそうだ。登録は捕手のままだが、キャンプから一貫して外野に取り組んでいる。オープン戦では結果が出ていないものの、打撃の内容は決して悪くないだけに、外野のレギュラー争いに加わることも期待できるだろう。