そして、ルーキーながら開幕戦からJのピッチに立って強い存在感を見せている高校サッカー界の“キング”松木玖生(FC東京)も近い将来、海外移籍を目論んでいる一人だ。青森山田高時代から強い海外志向を持っており、2年時にはフランスの名門リヨンの練習にも参加。昨年6月にはフランス1部ストラスブールからのオファー報道もあった。技術的な改善点はあるが、物怖じしない強いメンタルと勝負勘、そして向上心の強さは、誰が見ても海外向き。Jリーグで一定の経験を積んでからの海外移籍が本人のプランとしてあるが、それが今季中に前倒しとなる可能性はあるだろう。
海外移籍候補5人目として挙げたいのは、J2でプレーする規格外の大型FW櫻川ソロモン(千葉)だ。ナイジェリア人の父を持つ20歳。身長190センチ、体重91キロのサイズ感は、欧州リーグでも十分に通用するもので、足元の技術も高く、プレーエリアも広い。昨季までの2年間で通算43試合に出場(6得点)し、今季もリーグ戦3試合中2試合でスタメン出場している。まだプレーの精度、練度が不足しており、解決すべき課題は多いがポテンシャルは間違いなく一級品だ。パリ五輪だけでなく、その先の日本代表の将来のため、自らの成長速度を上げるために海外挑戦するのも、一つの有効な手段になる。
その他の若手では、開幕2戦連発弾を決めた20歳の鈴木唯人(清水)、ルヴァン杯で高い技術とセンスを感じさせ、プロ初ゴールも決めた17歳の北野颯太(C大阪)、鋭いドリブルで“違い”を見せている甲田英將(名古屋)、さらに宮城天(川崎)、古川陽介(磐田)、中村仁郎(G大阪)など、楽しみなタレントが控えている。ただ、彼らは「今季中の海外移籍」は時期尚早か。もちろんピックアップした5人も、移籍のタイミングは非常に重要。所属チームの戦力ダウンは避けられないだけに、もし海外挑戦を決断するならば、是非ともサポーターが納得できる形で海を渡ってもらいたい。