2月の開幕から熱戦が繰り広げられている2022年のJリーグ。今季も才能豊かな若手たちの活躍が目立つが、近年は若くして海を渡る日本人選手たちが非常に増えており、この“流れ”は今後も続くだろう。
その上で、今季中の海外移籍する可能性のある選手を挙げると、まずは荒木遼太郎(鹿島)が候補に入ってくる。昨季のJリーグでベストヤングプレーヤー賞を受賞した20歳の秀英アタッカーだ。システム上は左サイドMFに位置することも多いが、適正はサイドよりも中央にあり、よりゴールに近い場所で非凡な能力を発揮。特に狭いスペースでのボールタッチ、判断力が素晴らしい。ただ、フィジカル的に恵まれている訳ではなく、現代サッカーの中で適正ポジションの確保が難しい面はあるが、すでにA代表招集も受けたパリ五輪世代の若き才能を、海外クラブのスカウトたちが放っておくはずはないだろう。
同じくアントラーズに所属する23歳の上田綺世(鹿島)は、すでに欧州リーグで活躍できる能力を持っていると言える。元々、動き出し、ボールを呼び込む能力に長けていたが、その長所に加えて年々、フィジカル面な強さが目立つようになり、ストライカーとしての図太さも身についてきた。開幕戦での右足豪快弾など、今季序盤のプレーを見てもレベルアップは明らか。昨年の東京五輪では不完全燃焼に終わったが、能力の一端は見せており、海外クラブも存在は認識しているはず。今季開幕直前に結婚を発表し、今後の生活、将来を考える中で、今季中に「海外」を選択する可能性はある。
東京五輪組では、相馬勇紀(名古屋)の存在を忘れてはならない。小柄ながら負けん気の強さと積極性が光り、スピードを生かした切れ味鋭いドリブル突破からチャンスを作り出すサイドアタッカー。長谷川健太新監督を迎えた今季は、開幕戦からスタメンで起用されて攻守にアグレッシブなプレーを披露している。GKを除いた東京五輪メンバーの中で、国内組は上田と相馬の2人だけ。相馬も昨年8月に入籍し、上田と同じく“新生活”をスタートさせているが、また違う場所で新たなチャレンジに向かうことは、相馬の将来を見据え、プレーの幅を広げる意味でも悪くない話だ。名古屋としても攻撃陣は選手層が厚く、楽しみな若手も育っているだけに、今季中の海外移籍があるかも知れない。