日本ハムの新庄剛志監督
日本ハムの新庄剛志監督

 昨オフに監督就任以来、メディアに引っ張りだこの日本ハム・新庄剛志監督。春季キャンプ、オープン戦でも一挙手一投足が注目されてきたが、シーズン本番は厳しい現実を突きつけられた。ソフトバンクに敵地・ペイぺイドームで開幕3連敗。1つも勝てなかった。

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 2017~20年と4年連続で日本一を達成したタレント軍団のソフトバンクに対し、日本ハムは若手中心で1軍の実績が少ない選手が多い。戦前から劣勢を予想されていたため、覚悟していた結果ではあった。ただ、他球団のスコアラーは「予想以上に強いなと感じました」と日本ハムに対しての警戒を強める。

「清宮幸太郎が打撃フォームを改造したことで明らかに雰囲気が変わった。まだ試行錯誤の段階だと思いますが、甘く入ったらスタンドに運ばれる恐怖感がある。新外国人のアルカンタラも変化球への対応がうまく、日本野球向きだなと感じました。万波中正、今川優馬、水野達稀と楽しみな若手も多い。侍ジャパンで東京五輪の金メダル獲得に貢献した近藤健介を抑えれば勝てるというチームではないですね。開幕戦は3連敗しましたが、3試合ともどう転ぶかわからなかった。守備と走塁の精度を磨く方向性はチーム内で統一されていますし、スキのないチームを作ろうという新庄監督の意識が伝わってきました。決して組みやすい相手ではないですよ」

 確かに、3試合すべて勝敗が紙一重の試合だった。開幕戦は「3番・二塁」でスタメン起用された石井一成が4回に難敵・千賀滉大から先制ソロを放つと、開幕投手に抜擢されたドラフト8位右腕・北山亘基、加藤貴之、根本悠楓、伊藤大海、堀瑞輝の継投策で7回まで無失点に切り抜けた。8回に杉浦稔大がピンチを作り、救援した西村天裕が途中出場したガルビスに逆転満塁アーチを被弾したが、白星は見えていた。2戦目も一時は同点に追いつき、3戦目は初回に3点を先制されたが試合中盤に逆転。再逆転を許したが圧倒された試合はなかった。

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