「例えば電鉄会社はデジタルモニター付きの新型車両をどんどん投入している。車内広告を多様化でき出稿数、金額を増やすことができる。乗客数を大幅に増やすことには限界があるので広告での収益を上げるしかない。ドームと巨人も同様で大型ビジョンでの広告収入、チケットでの顧客単価を上げることから始めたのかもしれない」(大手広告代理店関係者)

 各球団ともコロナ禍の影響で苦しい経営状況に変わりはない。生き残るためにさまざまな方策を練っており巨人はそのための秘策、ジョーカーとしてドーム大改修に踏み切ったようだ。当面は収入重視での興行をすることが予想される。

「絶対人気を誇るスターの坂本勇人も今年で34歳。女性ファンを取り込める魅力的な若手選手が出てきていない現状で、このような施策がどうなるのか。しかし巨人・大鵬・卵焼きの時代から巨人は大人の男性ファンが支えてきた部分はある。ある意味、巨人の原点回帰かもしれない」(巨人担当記者)

「(改修は)経済的に豊かな男性をターゲットにしているように感じる。よほど好きな人以外、女性ファンは減るかもしれないですね」

 開幕3連勝を惜しくも逃した試合後、ドーム内コンコースで巨人ファンの女性が語ってくれた。その横をドアラのカチューシャを耳につけた中日ファンが笑顔で通り抜けて行ったのが印象に残った。

 100億円の大改修が生み出すものは何なのか。巨人の戦いぶりとともにスタンドの風景からも目が離せない。

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