■やめても受け入れる
「家庭内ルールは、実は職場よりも細かく見直す必要があるんです。子どもにどのくらいの負担があるのかを親が把握することです。親の押し付けでは長続きしませんし、子どもの決める力も育ちません」
岡山大学准教授で『学力テストで測れない非認知能力が子どもを伸ばす』著者の中山芳一さんは、決めることとその責任にも注意喚起する。
「自己決定感によって、選択に対する責任感が生まれるのは大切なこと。最後までやり抜こうという意欲を高めてくれます」
だが、もし途中で「やめる」と伝えてきても、「『自分で決めたんだから、最後までやりなさい』と子どもに強要しないでほしい」という。
「自分で決めることに後ろ向きになり、せっかくの決める力がしぼんでしまいます。最後までやり切ったとしても、途中でやめることになったとしても、どちらも受け入れること。柔軟性をもってあげてください」
大人も一度決断しても時に途中で道を変える。決める力も自由もそれに伴う責任も、時間をかけて学んでいくことだ。(編集部・藤井直樹)
※AERA 2022年4月11日号より抜粋