すずき・ひであき/1981年生まれ。資格コンサルタント、オールアバウト「資格」ガイド。難関国家資格から趣味の検定まで810以上の資格を保有する資格・検定のプロ
すずき・ひであき/1981年生まれ。資格コンサルタント、オールアバウト「資格」ガイド。難関国家資格から趣味の検定まで810以上の資格を保有する資格・検定のプロ
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 春から勉強を始めたいと思う人もいるはず。なんと810以上の資格をもつ資格コンサルタントの鈴木秀明さんに、どんな資格を取るといいか、勉強するとどんな効果があるかについて聞いた。

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 私が取得した資格・検定の数は810以上です。年間80個受けていて、最低1000個は取りたいと思っています。いろんなジャンルのことを知ることができるし、集めるのが好きなのでコレクター的な楽しさもある。実用性は度外視してゲーム感覚でやっています。いろいろな資格の勉強をすればするほど、新しい知識が身について、他の試験に流用できるのでだんだん楽になるんですよ。

 勉強は今までまったく触れてこなかった分野ほど面白い。自分の想像を超えてくれる。だから、例えば古文書解読、ウイスキー、ハローキティなどはもともと特別興味があったわけでもなかったテーマだけれど、検定ができたので勉強し受験してみたところ、予想以上に面白い知見が得られ、世界が広がりました。最近はコロナ禍の影響でオンラインで受けられるご当地検定も増えたので、いろいろ受けています。今まで縁もゆかりもなかった地域についても、実際学んでみると、街づくり、自治体の取り組みなど、想像以上に勉強になります。

 その一つが北九州市環境首都検定。北九州市は工業都市で昔は公害がひどかった。市がいろいろな取り組みをして、環境先進都市になっている。検定は環境学習として子どもたちも受けています。日立市のご当地検定は現地に行って受けました。これもすごく勉強になった。日立市はもともと鉱山で栄えた町で、日立製作所ができました。その歴史を勉強すると先進的な環境対策をしてきたことがわかります。例えば、煙に強い植物を研究して大島桜を植えた。苗木を無料で配り、それで今も桜の名所になっています。

 ひと昔前までは国家資格や、就職や収入に直接つながる資格を取らないと意味がないと考えられていました。行政書士のような資格を取って仕事や副業に生かすという観点からしか考えられてこなかったんです。でも今は、国家資格にこだわらずに、自分に何をプラスしたらオリジナリティーが出せるか、自分の弱点を補うためにはどんな資格が必要か、地に足をつけて考えたほうがいいと思います。

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