「関西ではもともと国公立大志向がとても強く、また灘など一部の高校を除いては、地元志向も高いのが特徴です。関西圏の受験生の多くは京大を志望校の頂点にして、それが難しそうなら阪大、次いで神戸大、それも届かなそうなら大阪公立大といったように志望校を切り替えていきます。そのため、関西圏の高校が多くランクインしたのでしょう」
一方、関東の上位進学校では東大の併願校として早慶を受ける受験生が多い。首都圏にある実家から通うように地元志向が関西圏以上に強い。東工大や一橋大に志望校を切り替えたら合格するような生徒でも、そのまま東大を受験し、不合格なら早慶に進学するケースも少なくないという。
上位50校では公立が半数を占める結果となった。こうした結果の背景として石渡さんは、「実はいま全国の中堅レベルの公立高校で、『特進クラス』を設ける動きが盛んです」と語る。
これは、大学に行きたい生徒を一クラスに集め、国公立大を目指した受験対策をするものだ。背景に大学進学率の向上と少子化が挙げられるという。石渡さんが続ける。
「現在は少子化によって多くの公立高校の統廃合が進んでいますが、国公立大の合格者を多く出している高校はその対象になりづらい。そのため、中堅公立校でも国公立大への進学指導に力が入っています。こうした動きが、公立高校全体の国公立大への進学指導の底上げにもつながっていると考えられます」
今年は大学共通テストの難化が目立ち、数I・Aなど7科目が過去最低の平均点となった。その影響はどうだろうか。
「共通テストでは理系科目でも問題文で高い読解力が求められるようになり、その指導が学校側でできていたかがカギとなります。ただ、今年の上位校の顔ぶれとしては大きな変化はなかったように思います。文部科学省による大学入試改革はまだまだ続き、今後は高度な読解力や思考力を問う問題が2次試験にも広がっていくとみられます。対策ができる学校とそうでない学校で差が出るかもしれません」(石渡さん)
新年度を迎え、来年の受験へ準備を本格化させる生徒も多いだろう。悔いのないように頑張ってほしい。(河嶌太郎)
※週刊朝日 2022年4月22日号