今年の東大の2次試験の様子(左)、京大の時計台
今年の東大の2次試験の様子(左)、京大の時計台
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 2022年の大学入試、各高校の合格率はどうだったのか。全国の3千校以上の結果を網羅した入試速報の中から、「真の実力校」を探るべく、旧帝大に一橋大、東工大、神戸大を加えた10大学の「合格率」を分析した。トップ10のうち5校を関西勢が占めたが、地方の伝統校の健闘も目立った。

【難関大合格率トップ5校はこちら】

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 旧帝大の東大、京大、北海道大、東北大、名古屋大、大阪大、九州大の7大学に一橋大、東京工業大、神戸大を加えた難関10大学の合格率トップ50校を並べた。合格率は、10大学の合計合格者数(総合型・学校推薦型選抜の合格者、浪人なども含む)を、各高校の卒業生数で割って算出した。

 合格者の重複が基本的にない難関国立大のみを対象としているため、東大や京大だけのランキングでは上位に来ないような地方の公立高校も、ランキングに入りやすいのが特徴だ。また合格率を出すことで、学校の生徒数に左右されない実力が見えてくる。

(週刊朝日2022年4月22日号より)
(週刊朝日2022年4月22日号より)

 結果は1位が灘(兵庫)の76.5%、2位は72.0%で東大寺学園(奈良)、3位は北野(大阪)の65.7%と関西の名門校が続いた。ただ、その内訳はだいぶ異なる。東大だけで41.6%を占める灘に対し、東大寺学園は12.5%、北野は4.5%にとどまる。その代わり、京大や阪大、神戸大といった地元の難関国立大の合格率で上位に入った形だ。

 特に北野は、5年連続で京大合格者数の日本一を達成している。

 4位は筑波大附駒場(東京)の63.6%、5位は栄光学園(神奈川)の61.0%と関東圏の高校が並んだ。筑波大附駒場は東大だけで59.9%を占め、その他の難関国立大の割合は3.7%しかない。昨年はトップ5がすべて関西の高校によって占められていたが、今年は東西に分かれた格好だ。

 6位は甲陽学院(兵庫)の59.2%、7位は開成(東京)の57.8%、8位は久留米大附設(福岡)の55.6%、9位は聖光学院(神奈川)の50.9%と、全国区の有名私立進学校が続いた。

 だが10位以下を見渡すと、公立高校の健闘も目立つ。北海道からは札幌北と札幌南が11位と12位で続いたほか、14位の旭丘(愛知)、16位の修猷館(福岡)、17位の仙台第二(宮城)など、各都市を代表する高校が入った。

 とはいえ、全体的には関西圏の高校の存在が目立つ。その背景について、大学ジャーナリストの石渡嶺司さんがこう解説する。

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