巨人の“エース候補”として期待される堀田賢慎も佐々木朗希と同世代(写真提供・読売ジャイアンツ)
巨人の“エース候補”として期待される堀田賢慎も佐々木朗希と同世代(写真提供・読売ジャイアンツ)
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 4月10日のオリックス戦で実に28年ぶりとなる完全試合を達成した佐々木朗希(ロッテ)。昨年は宮城大弥(オリックス)が新人王を獲得し、奥川恭伸(ヤクルト)も新人特別賞を受賞するなど、高卒3年目となる投手の活躍が目立つが、これから飛躍が期待できる選手は他にも多い。

【写真】高校球児時代の初々しい佐々木朗希投手

 彼らに続いて、既に先発ローテーションとしての地位を確立しているのが玉村昇吾(広島)だ。丹生高校時代は甲子園や北信越大会への出場こそなかったものの、福井県内では評判だったサウスポーである。ドラフトの順位も6位と決して高くなかったが、昨年は夏場以降に一軍定着を果たすと、17試合に先発登板して、101回を投げて4勝をマーク。今年もキャンプ、オープン戦での厳しい争いを制して開幕ローテーションを勝ち取り、4月7日の巨人戦では7回2失点の好投で早くも初勝利を挙げている。

 ストレートは140キロ台前半が多く、それほどスピードがあるわけではないが、肩の可動域が広く、腕が遅れてくる独特のフォームのため打者はタイミングをとることが難しい。左打者の内角に思い切ってシュートを投げ込むことができ、大きなカーブで緩急をつけられるのも持ち味だ。広島にとっては待望の若手先発左腕と言えるだろう。

 リリーフで早くから台頭しているのが及川雅貴(阪神)だ。中学時代から評判のサウスポーで、横浜高校でも3度の甲子園出場を果たし、佐々木、奥川、西純矢(阪神)とともに“高校生ビッグ4”と呼ばれていた時期もあった。コントロールの不安からドラフトの順位は3位となったものの、2年目の昨年は5月から中継ぎの一角として一軍に定着。39試合に登板して2勝、10ホールドと結果を残した。今年は3月にわき腹を痛めた影響で出遅れ、いまだに二軍でも実戦復帰を果たしていないものの、サウスポーらしい角度のある150キロに迫るストレートの勢いは大きな魅力だ。チームは開幕から苦しい状況が続いているだけに、ブルペン陣の救世主としてここからの巻き返しに期待したい。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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