センバツ高校野球で4年ぶり4度目の優勝を果たした大阪桐蔭(大阪)。2回戦で対戦予定だった広島商(広島)が選手の新型コロナウイルス感染により出場辞退となり、1試合少ないということはあったものの、それでも4試合で51得点、6失点と圧倒的な強さだった。4月9日に行われた春季大阪府大会の初戦も10対0と完勝しており、これで昨年秋に新チームを結成して以降公式戦21連勝となっている。学校として3度目の春夏連覇、そして松坂大輔を擁した横浜(神奈川)以来となる公式戦全勝という声も早くも聞こえてくる。
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そんな大阪桐蔭に対抗できるチームは果たしてあるのだろうか。昨年秋からこの春までの戦いぶりから、5校ピックアップしてみたいと思う。
まずセンバツに出場したチームの中では広陵(広島)を推したい。2回戦で九州国際大付(福岡)に敗れたものの、これは相手エースの香西一希の巧みな投球に抑え込まれたものであり、春特有の投手優位が現れたものだったように見えた。太鼓判を押せるのが大阪桐蔭に匹敵する個々の能力の高さだ。投手は森山陽一朗、松林幸紀、岡山勇斗と140キロを超える右腕が3人揃い、夏までにまだまだスピードアップすることも十分に考えられる。打線も内海優太、真鍋慧の中軸2人を中心に迫力十分で、足を使える選手が多いというのも持ち味だ。明治神宮大会でも大阪桐蔭に8点リードされた場面から一時は3点差まで追い上げており、手強い相手ということを印象付けたことは間違いない。センバツがやや不完全燃焼な負け方だったというのも、夏に向けてのバネとなりそうだ。
大会序盤の一発勝負ということで可能性がありそうなのが、選手の新型コロナウイルス感染でセンバツを直前に出場辞退した京都国際(京都)だ。その理由として大きいのが絶対的エースの森下瑠大の存在である。昨年も2年生ながら春夏連続で甲子園に出場しており、夏は投打にわたる活躍でチームの準決勝進出に大きく貢献。昨年秋の近畿大会は準々決勝で和歌山東に競り負けたものの、森下自身は13回を投げて無失点、17奪三振と圧巻のピッチングを見せている。同じ腕の振りからストレートと変化球を操り、高校生サウスポーらしからぬ制球力と高い投球術を誇る。大阪桐蔭の強力打線といえども簡単に打ち崩すことは難しいはずだ。打線はそれほど強力ではないが、森下が一世一代のピッチングをして、ロースコアの展開に持ち込めばチャンスはあるだろう。