久々に芝とダートでG1勝ち馬となったのは、モズアスコット。この馬のローテーションも特異で、18年の安田記念制覇はオープンの安土城ステークス2着からの連闘だった。9番人気で芝マイルG1を制したモズアスコットだが、その後は翌年にかけて8連敗。そこで陣営は20年からダート参戦を決断する。
その初戦だったG3根岸ステークスで、モズアスコットは見事に勝利。続くフェブラリーステークスもノンコノユメやインティら過去の優勝馬を抑えて連勝し、アドマイヤドン以来の芝ダートG1制覇を達成した。
近年は得意な距離や馬場を狙い撃ちするローテーションが主流とあって、芝とダートの二刀流でG1制覇はハードルが上がっている感もあるが、白毛で注目を集めた21年の桜花賞馬ソダシは今年のフェブラリーステークスで3着と好走。もともと母系はダートでの活躍馬が多く、父も二刀流で成功したクロフネだけに今後もダート路線での活躍が見込めそう。あるいはこの馬が史上6頭目の快挙を成し遂げるのかもしれない。(文・杉山貴宏)