「TJ手術後、2年以上が経過した投手のパフォーマンスが伸びるのはデータが証明していますが、あくまで数字上のことです。術式の変化などもあり身体への負担も小さくなっていますが、どんな形であれ手術には変わりありません。様々なことを考慮した結果、右肘靭帯の部分断裂を負ってもTJ手術を回避しPRP療法を選択しました」

 佐々木はここまで大事に育てられてきた。岩手・大船渡高3年夏の県大会決勝は登板回避した。プロ入りしてからも身体と慎重に相談を重ねながらの育成方針が取られている。今年のブレイクを見ると間違っていなかったようだ。今後、メジャーを本気で目指すには何が必要となるのだろうか。

「身体への負担をこれまで以上に減らすことを考えて欲しいです。そのためには試合の中で投球の強弱を覚えることで球数を減らすことにもつながるはずです。先日、クレイトン・カーショー(ドジャース)が完全試合をしていた中、80球で途中交代して話題になりました。米国の古いレジェンドは『投げさせろ』と言っていましたが、カーショー本人も納得していました。記録より選手を守る流れが主流です」

「マックス・シャーザー(メッツ)が MLB公式サイトで投げ込みによる土台作りに言及しました。これは多くの投手がマイナーからのキャリア内で行っていることです。メジャーのローテーション投手として中4日で年間を投げ抜くには、試合内での球数が重要な要素になります。日本も米国帰りの指導者が増えて似たような風潮が出てきています。佐々木はもちろん、選手みんなを守って欲しいです」

 ロッテ・井口資仁監督はホワイトソックスで世界一を経験している。昨年まで投手コーチを務めたピッチングコーディネーター・吉井理人氏もメッツ等で多くの経験を積んだ。その他にもヤクルト・高津臣吾監督、DeNA・大家友和二軍投手コーチもメジャーでプレーした。昨年のパ・リーグ王者、オリックス・中島聡監督も米国へのコーチ留学経験がある。その他球団にも同様のコーチが増えており、米国球界の良い部分がどんどん入ってきている。

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中4日の投球にも耐えられるか