占い師、作家 しいたけ.
占い師、作家 しいたけ.
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 AERAの連載「午後3時のしいたけ.相談室」では、話題の占い師であり作家のしいたけ.さんが読者からの相談に回答。しいたけ.さんの独特な語り口でアドバイスをお届けしま

す。

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Q:今度育休から復職しますが、また働くことができるかとても不安です。私が専業主婦状態であることに慣れた夫や子どもたち、何より自分が、新生活に適応できるのか。仕事に支障が出るのではないか。かつての失敗や非礼を思い出しては暗くなります。どうすればいいのでしょうか。(女性/育休中/41歳/かに座)

A:人は自分がやりたいことをやるのが幸せなのか、人から頼まれたことをやるのが幸せなのか。そういう究極のテーマも含まれている相談のように感じました。

 自分がやりたいことだけやっていると自己満足は増えるけど評価が伴わなかったりするし、人から頼まれることをやっていると、コマとして働くことに疑問を感じたりしますよね。

 40代というのは一つの大事なタイミングというか、そのバランスの見直し時期のような気がします。

 コロナがなかった頃の時間軸の流れだったら、「悩んでしまうこともあるかもしれないけど、求められているなら戻ってみたらいかがですか」みたいなことを僕は言っていたと思います。でもコロナを経て見直しの時期に入った今、多くの人にとって、過去に戻ることが必ずしも正解ではなくなってきている気もします。

 戻って適応するか適応しないかという、その問題をクリアすることが求められているわけじゃない、と考えてみてください。とりあえず戻ってみて「自分にとっての幸せは何か」を改めて考えてみるのも一つの手だと思います。

 話が合わなくなってきたとか、なんかしっくりこない、やる気が出ない、などはネガティブなことじゃないです。見つめ直すタイミングがきたというだけのこと。そしてそのタイミングで大事なのは「勉強する」とか「頑張る」ことではありません。ちゃんとふらふらすることのほうが大事。例えばテレビでアド街ック天国や秘密のケンミンSHOWを見ている時に、豪雪地帯でかまくらを作る子どもたちが輝いて見えたりとか。そういうところで「あっ」て気付くはずなんです。

 幸せの価値観は変わっていって当然ですが、もしかするとそれを家族に言い出しにくいと感じるかもしれません。家族は一つの利益団体でもあるから、その一員が違う価値観を見いだして、それで収入が減るなどの変化があると、家族にとっては一大問題ですよね。だからこそ、家族に相談すべきです。自分の想像の中だけで悩むのでなく、子どもたちに対しても相談したほうがいいと僕は思います。

 かに座は、奇跡の頑張りを見せて何度も無茶を乗り越えられる人たちですが、一回何かの拍子にエンジンが切れた時は、「こんなに怠けグセがある人間だったのか」と自分で自分に対して驚愕します。

「昔はもっと5倍ぐらい頑張れたはず」と思わずに、「5分の1の私」としてやっていく、で十分です。

◎しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「VOGUE GIRL」での連載「WEEKLY! しいたけ占い」でも人気

AERA 2022年5月2-9日合併号

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しいたけ.

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しいたけ./占い師、作家。早稲田大学大学院政治学研究科修了。哲学を研究しながら、占いを学問として勉強。「しいたけ. 公式サイト」では月刊占いやコラムを連載中。 https://shiitakeofficial.com/

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