人生を変えた一冊とは?
人生を変えた一冊とは?
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 元々「いかんなあ」とは思っていた。

【写真】かつてスケジュール管理に使っていたアイテムや、yPadの楽しみ方を紹介!

 コロナ禍で取材も打ち合わせもリモートで行うことが増えた。すると、朝はギリギリまで寝ていられる。メイクもろくにしない。誰も来ないから家の中も放置→荒れる。夫婦ふたりとも「ホコリじゃ死なない」と思っているのでなおさらである。自慢ではないが“意識低い系”の自覚だけは充分にある。自己管理が下手。自己啓発とか自分磨きというキーワードは本能が脳にシャッターを下ろす。

 だが、そんなダラけた暮らしぶりに喝を入れるアイテムが登場した。それも一冊の手帳である。

■時間を整理するための手帳

 自己管理の弱さはプライベートだけではない。自営業なので複数案件の同時進行は大変ありがたいが、歳のせいか記憶頼みで管理するのもしんどくなってきた。一応Googleカレンダーで予定管理はしているが、どの仕事がどこまで進んでいて、今の最優先は何なのか、業務の組み立てがますますへたくそになってきている。

 そんな私がyPadというスケジュール帳の存在を知ったのは今年に入ってから。恥ずかしながら、2010年からあったなんてまったく存じ上げず。しかも一度は廃版にしようとしたのを、好評につき復活させたというではないか。あぶないあぶない。知らないまま一生を終えるところだった。

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 yPadは横長のiPadサイズの冊子である。帯に「パッと開けばバーッとわかる」とあるが、確かにその通り。

 左ページはいわゆるスケジュール帳で、縦軸が日付・横軸が時間。◯月×日、▲時から打ち合わせ、というやつだ。

 右ページは案件ごとに進捗を書き込めるようになっている。左ページの日付と照らし合わせながら、この日までにこれをやる、という仕事の進み具合が「バーッとわかる」のである。

 この手帳の生みの親、アートディレクターの寄藤文平さんによれば

「仕事の予定ばっかりじゃなくていい。趣味でも遊びでも、好きなことをして生きていくために、時間を整理するお手伝いになればいいと思っている」

 とのこと。

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yPadをどうにも洗練されていない仕事管理に使ったら…