yPadを使い始めたころ。蛍光ペンを案件ごとに色分けして、モザイクっぽくなるのが楽しくなった
yPadを使い始めたころ。蛍光ペンを案件ごとに色分けして、モザイクっぽくなるのが楽しくなった

・その1時間は何も考えず作業をする。雑念は意識して頭から追い出すこと。
・タイマーが鳴ったら、強制終了。汗をかいていたらまたシャワーを浴びる。

 まだまだ終わりは見えないが、果てしなさすぎてとても無理だと思われた「片付け」問題に着手できていると思うだけでも、ココロの暗雲が少しは薄れるというものだ。

 若いころは想像もできなかったことだが、体力はもちろん気力、集中力、興味、関心、すべてが続かなくなっている。だが、1時間なら維持できる。

 夏休みの宿題は最後の数日で泣きながら追い上げるタイプだったが、yPadに落とし込んでコマで見せられると、ひとコマずつ塗りつぶす楽しみがあっていい。それが何より「続いている」要因だ。

 時間の使い方が変わって、無為に過ごしては自己嫌悪に陥ることが減ったように思う。

 いや、相変わらずダラダラは好きだ。隙あらばダラけたいと思っている。だが、時間をコマ割りにしたことで「今はダラダラしていい時間」と、自分にお墨付きを与えられるようになった。これで胸を張ってダラダラできる(?)。

 将来、仕事をしなくなってからも、このコマ割りがあると嬉しい。yPadには末永く、お世話になりたい所存である。

(文/浅野裕見子)