これからの「働く」をAERA dot.と一緒に考える短期集中連載「30代、40代の#転職活動」。第1回は、全く経験のない異業種や異職種へ飛び込む「越境転職」について。前編では、転職当時43歳でアパレル店舗の店長からIT業界への道に進んだAさんを紹介した。コロナ禍の転職市場では、Aさんのような挑戦はむしろ増えているという。年齢の壁は? チャレンジしたいと思ったら何からすればいいのか? 話を聞いた。
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今、異業種や異職種に“越境”する「越境転職」が盛んだという。リクルートの調査によれば、2009年から2020年までの約10年間で、「異業種×異職種」の転職割合は24.2%から36.1%に増加。さらに「異業種×異職種」の割合は、「同業種×同職種」、「同業種×異職種」、「異業種×同職種」の転職パターンの中で36.1%と最多だ。
少し前まで一般的な転職イメージが強かった「同業種×同職種」は、27.9%から19.6%に減少し、中途採用市場全体の2割以下にとどまっている。つまり現在の転職市場では、「異業種×異職種」の構図が主流になっているのだ。
中でも越境に向けての動きが盛んな職種が、前出のAさんと同じ接客職(接客・販売・店長・コールセンター)や、マーケティングなどの企画職や事務職。特に接客販売を伴う小売業は、コロナ禍で受けた影響もあり、「異業種×異職種」の仕事を求めて転職を希望する人が増加しているという。
「コロナ禍の転職市場で、業種・職種を越えた“越境転職”の割合は、過去最高を更新しました。これまでの業種や職種の経験にとらわれず、自らの成長機会を提供してくれる成長産業や企業へ転職しようという人が、全世代的に増えています」(リクルートHR統括編集長・藤井薫さん)